OJTトレーナーとして意識していること

7月からOJTトレーナーをやっているが、最近トレーニーが(ほぼ)自立した状態で仕事ができるようになった。今まで自分が担当していたタスクを分担し、基本的には安心して任せられる状態になっている。1

3ヶ月強でこの状態に持ってこれたのは結構すごいのではないかと思ったので、気をつけたポイントを忘れないように整理しておく。

大前提として、トレーニー当人の意識や努力、学習などの取り組みが良かったからである。80%くらいは本人の頑張りに依存すると思う。 打っても響かない人にいくら手間をかけても無駄である。現実は厳しい。

意識したこと

意識的に取り組んだこと

  • 仕事が完了するたびに振り返りを行う
  • トレーニーをよく観察して苦手なところをフォローする
  • 指導記録をつける

仕事が完了するたびに振り返りを行う

エンジニア職ということもあり、タスクはIssueで管理している。Issueがクローズするたびに振り返りを行うようにした。 あらかじめテンプレートに書き込んでもらい、それを説明してもらう。そこに対し、「じゃあ今の課題はこれだね」「課題に対してはこういうふうにやってみたら」「どうしているか聞いてみたいことはある?」等の話をしている。

# うまくいった・できたことはあるか(ある / ない)
(ある)→何がうまくいった?
(ない)→どうしてそう思う?

# 見積もりと乖離した点はあるか?(ある / ない)
※見積もり=自分の予想と異なる点のこと。工数ではない
(ある)→どうしてそう思う?どうしたら改善できると思う?

# もっとこうすれば良かったなという点はあるか?(ある / ない)
(ある)→どうしてそう思う?どうしたら改善できると思う?

# (前回の仕事があれば)前回の反省は改善できた?
※反省内容に対して振り返ってもらう

# その他

このタイミングにしているのは、内省の回数を増やして課題を自己解決できるようにしたいため。「失敗したな〜」「あれこれ言われたな〜」という苦い思いはトレーニー本人が一番感じている。それを指摘しても何もいいことはない。自分で言語化してみることで学びが得られる。2

体感レベルだが、トレーニー本人が主体で振り返ると「同じ内容を何回も反省する」ことがほとんどない。同じ内容が繰り返し出てくる場合、トレーニーの苦手な部分であると判断できる。

トレーニーをよく観察して苦手なところをフォローする

人間、モチベーションが高い物事は放っておいても上手になっていく。「技術職だから技術分野を教えないと!」と言ってトレーナー主体であれこれやろうとする人がいるが、受ける側からすると「うるさいな…」となってしまう。なんなら教育も素晴らしいこのご時世、トレーニーの方が詳しいとか普通にあり得る。3

よって、注力するべきは「得意」「不得意」を区別することである。対象をよく観察し、現状を把握することが重要。 例えば、説明はすごくうまいけど締切は遅れがち、であれば締め切りを守れるようになることに注力するべきである。

フォローする際は原因を追求するのではなく、課題を解決できる具体的な手段を提示することを心がける。 例えば、締め切りが守れないときなぜ締め切りが守れないのか?を追求するのは間違っている。締め切りを守るためにGoogle カレンダーでリマインダーをセットする先に(怖い上司の)レビュー予定を入れ、締め切り駆動業務にしてみる、など具体的なアドバイスを行う。

まずは手本を示して真似させる。そして、きちんと真似しているか定期的にチェックする。あれこれ注意せずにできるようになれば、少しずつチェック頻度を下げる。まずは真似をさせるのが重要で、上手くいっていないのだから、トレーニー本人の力量を超えている。 アレンジは基本ができた後にする。

指導記録をつける

今目の前のことばかり見ていると、3ヶ月前は何ができたんだっけ?などがわからなくなってしまう。だいたいOJT系の業務はOJT終了後に成長結果はこうだった、類の報告がついてくる4 このとき、過去のことが記録に残っていないと思い出すのは難しい。きちんと記録をつける。これも、指導の多さに合わせて頻度を上げ下げしている。

人と比較するのではなく、過去と比較する点が重要である。

アンチパターンとして避けていることもあるので、また整理する。


  1. 当たり前だが、成果物のチェックは念入りにやっている。また、本番環境での作業は当然まだダメである。
  2. みたいなことをOJT研修なるもので聞いたが出典を忘れてしまった。
  3. 下手すると間違っている知識で上書きする、とかあり得る。こわ〜。
  4. 人件費がかかっているので、ある会社の方が良さそうではある。