OJTトレーナーをやっているが、他のトレーニーと関わる機会も増えてきた。人によって自立して仕事ができるトレーニーもいれば、そうでない場合もあって「どうして人によってOJTの成果にばらつきが出るのだろう?」と思うことが増えた。この疑問を解消するために読んだ。
全体の感想
読後の結論としては「OJT企画側がサボっているから」ではないかと思った。
- OJTを現場に丸投げするから
- 普段の仕事優先になってトレーニーの介護なんかできない
- トレーニーがOJT終了後にどうなってほしいか、トレーナーや関係者にきちんと伝えていないから
- 頂上が見えない山をどう登れというのか?
OJTを企画する人事、担当になったトレーナーはよく読んだ方が良いのではないかと思った。また、マネージャーは人材育成の観点から読んだほうが良い。
ウォークアラウンドの方法はプロダクト企画でも使えそうだなと思った。
印象に残ったところ
ウォークアラウンドのポイントは3つあります。「❶現状把握」「❷解釈」「❸介入」です。
中尾隆一郎. 自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント (Japanese Edition) (Kindle の位置No.516-517). Kindle 版.
現状把握
は定点観測が重要- 推論で仮説を立てない
- 事実のみを把握する
- 事実と周辺情報をフル稼働して
解釈
(= 仮説を立てる)する 介入
は迷惑行為になりかねないが、それでも実施する- 仮説が正しいか確認しないと現状把握できないから?
- 本の中で明確に提示されていないのでは、と思った
リモートワークでは様子が見えにくいため、❶現状把握
をどうすれば良いかが気になった。タスクの消化速度が落ちているときは良くなさそう…くらいは想像できる。リモートワークだからこそ定量データが重要だよ、ということ?プログラマー職の定量データってなんだろう。1
❶仕事を依頼する ❷メンバーに、すぐに30分間、その仕事の段取りを考えるように依頼する ❸30分後に30分間、メンバーと仕事の段取りの確認をする ❹その段取りに対してアドバイス、指示を行う
中尾隆一郎. 自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント (Japanese Edition) (Kindle の位置No.627-630). Kindle 版.
自分は、仕事を効率良く処理できるかどうかは段取りが上手いかどうかで決まると考えている。働き方が身についていない人は、良い段取りを組むことが難しい。2ただ、トレーナーが段取りを考えてしまうと、トレーニーはいつまでも自立できない。だから、最初に段取りを考えさせ、早めに軌道修正する。
この考え方は職種問わず応用できそうだなと思った。特にOJT開始直後はこれをやった方が良さそう。本では『ロスを防ぐため』直後に確認しているが、自立を促すならもう少し間隔を空けても良いのかなと思った。3失敗した!と思わないと学習効果が薄いのではないか?
ハイパフォーマーは、❶常にGoal(ゴール)を意識し、 ❷Pre(事前準備)に時間を使い、❸On(実行)し、 ❹実行後のPost(振り返り)から学び、成功の再現性を高める習慣を持っています。
中尾隆一郎. 自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント (Japanese Edition) (Kindle の位置No.978-982). Kindle 版.
今までの経験から、何となく「そうなんだろうな〜」と思っていたことが言語化されていて良かった。
自分も仕事の成功度合いは準備で8割決まると考えている。目的とゴールを明確にし、ゴールから逆算して計画を立てる。計画を確認してもらい、あとは計画通りに実行するだけの状態にする。これができない仕事は目的を達成できない。作業は実施したが、効果はない…みたいな感じになることが多い。
これと似たような話は新卒で入社した会社で似たようなことをキツく指導された。4 振り返ってみると、早いうちに習慣になって良かったなと思っている。