こんにちは。りまりま団のもふもふです。
この記事はAdobe Illustrator Advent Calendar 2018とAdobe Photoshop Advent Calendar 2018 8日目の投稿記事です。
普段Adobeで仕事をしていなくたって色々作れる。そう、Adobe製品ならね
他のエントリでわかると思いますが、普段はソフトウェアエンジニアとして働いています。Adobe製品を触る機会はほとんどありません。画像の書き出しとAdobe XDでデザインカンプを参照するくらいです。 自分で1からWebアプリケーションや技術同人誌を作る際、デザイン関連はプロの人に外注する/自分で作るのどちらかになるかと思います。
特に技術同人誌界隈はプロの人に外注することが多いようですが、たまには自分で表紙作ってみても面白いよっていうのを伝えたいのでこのエントリを書きました。
完成形
今回はコミックマーケット95の新刊を例に取って説明したいと思います。
これは印刷所に入稿が完了しているデータです。印刷所はねこのしっぽさんを利用しています。 2年間ずっとこの印刷所さんを利用しているのですが、最近担当の人がついたらしく、毎回同じ方からデータ不備や確認の電話がかかってくるようになりました。いつもありがとうございます(感謝)。
ブログにはPNG形式でアップロードしていますが、実際は.psd
、つまりPhotoshopデータで入稿するので注意です。
Illustratorで文字のパーツを作る
まず、本のタイトル文字『Vue.jsでKUSOアプリ作ってみた』の部分を作成します。私が利用しているバージョンは全てAdobe CC 2018の最新版です。
Illustratorファイルを作る
これがIllustratorのトップ画面です。画面がワイドなのは家のモニターが29インチだからです。
新規ファイルを作成で新しく.ai
ファイルを作ります。大きさの調整はPhotoshop側でできるのでなんでも良いのですが、小さいファイルを大きくするとキザギザ(モアレ)になるので、大き目に作っておく方が良いです。
ここではWebページ
を選択します。
何もしていない時点で一旦ファイルを保存します。消えるとショックですから。
画像の形式を聞かれますが、特別なことをするつもりがないのでデフォルトのままで保存します。
文字を打ち込む
まず、画面左端にバケツや四角が並んでいるのが見えると思います。その中からT
のアイコンを押します。これが文字を打ち込むためのツール(文字ツール)です。
次に、一連の動作で文字を打ち込みます。
- 文字ツールを選択した後、画面の白い部分にマウスを持っていきクリックします。すると文字を打ち込める状態になります。
- 一度画面をクリックし、好きな文字を打ち込みます。
- 画面左側のパネルでフォント・文字の大きさを選択します。
パネルを探すのが大変だと思うので、動画もとりました。GIFですけどね。画面全体でキャプチャを取っているのでちょっと小さいと思います。フォントや文字の大きさを変更するときは全選択後に行います。
フォントとかの調整部分を拡大しました。パネルがプロパティになっているのがミソです。
文字を変形したり、色を塗ったり
Adobe公式のチュートリアルなどを参考に文字を変形し、色を塗りました。
こちらは変形後の状態です。文字の上下をずらしてから色を塗りたい場合、文字ツールで上下に動かす👉文字をアウトライン化して色を塗らないと詰みます(1敗)。できなくはないのですが、アウトライン化したものを選択して上下させるよりも文字ごと上下に動かしてしまう方が楽です。
Illustratorの作業はこれで終わりです。
Photoshopで入稿用データを作成する
次はPhotoshopで表紙全体を作成します。
データの新規作成
まず大事なのがファイルの大きさです。印刷所によりますのでしっかりと確認してほしいのですが、ねこのしっぽさんの場合、
●[画像のサイズ]
《B5本 / A5本 / A4本の画像サイズ》
・B5:188mm×263mm(3mm大きめ)または 192mm×267mm(5mm大きめ)
《表紙を1枚続きで作成する場合》
・B5:370mm×263mm(3mm大きめ)または 374mm×267mm(5mm大きめ)
と指定があります。また、解像度はカラーの場合350dpi(ピクセル/インチ)
指定となっています。
今回は本の背幅(本棚にしまったときにタイトルが見えますよね?あれです)を入れたいので、規定のサイズ + 背幅に必要なサイズを横幅に、規定のサイズを縦幅にセットします。ここ間違えるとデータの作り直しなので注意です(1敗)。 背幅に必要なサイズは印刷所さんが計算フォームを提供してくれていることがほとんどです。これを利用して計算しましょう。心配であれば早めに印刷所さんに問い合わせます。
実際に私が入稿したときのデータはこうなっていました。幅が横幅、高さは縦幅という意味です。単位・カラーモードも印刷所指定のものをセットしています。
自由に配置する
Photoshopはレイヤーという概念があります。CSSのz-index
と同じように考えるとわかりやすいでしょう。レイヤーパネルの上にあるものが上に表示されます。
よって、背景を先に作ってから文字やイラストを配置するやり方をおすすめします。
今回は背景画像にSTARWALKER STUDIOさんの素材を利用させていただきました。商用利用可・利用報告は不要なので、とてもありがたいです。
画像の配置はファイル>埋め込みの配置で行います。Illustratorで作成した素材も同様の方法で配置できます。
1つ下のレイヤー全体を選択>配置したい要素のレイヤーで配置ツールを利用して中央寄せができます。背幅はこれをうまく利用して、綺麗に見える位置に文字を置いていきます。 表紙の文字・サークル名は選択ツールでドラック&ドロップをしても綺麗に配置できると思います。
完成
「これで満足」となったらレイヤーを結合します。これを忘れると原稿データの不備となり、差し戻しが発生します(5敗。本当にすみません)。
入稿
印刷所さんが提供しているアップローダーやFTPを使ってデータを送信します。ねこのしっぽさんではファイル名をhyoshi.psd
にしてください、などとファイル名に指定があります。その辺りもよく確認して入稿しましょう。
データが送信できたらおしまいです。お疲れ様でした。
意外と簡単にできるやろ?
複雑な操作なしでそれなりのものができる、ということが伝わったでしょうか?好きに作れるのが同人誌の良いところなので、1度くらいはぜひ表紙も手作りしてみてほしいなと思います。
…もう何のAdvent Calendarなのかわからなくなってきたところでおしまいにしたいと思います。