未経験の状態から5ヶ月で開発できるようになるために必要なこと

正確な時間は忘れたが、そういう状態になったことがあった。 ある程度自力(ベッタリではなく、短期間でレビューを挟む程度で良い)状態に持っていくには何が必要だったか整理してみる。

最初に結論

数字が若い順に最優先で何とかする。大前提として本人が改善のための努力を惜しまないことがある。他責思考ならもう諦めて作業者として割り切った方が良い。

  1. 日本語の読み書き
  2. ツールの使い方(特にタイピング)
  3. 仕事の流れを一通り把握する
  4. 時間の使い方
  5. 質問の仕方
  6. テスト駆動開発(TDD)の考え方
  7. 学習習慣

1. 日本語の読み書き

リモート・オンライン問わずチャットやチケット(Issueなど)ツールの日本語文章に注目する。ここが怪しい場合、論理的に仮説立てて実装するどころではない。

助詞・漢字の使い方が間違っている場合、読み書き能力が低めであると仮説立てられる。ちなみに文章を正しく読み上げられないも怪しいポイントになる。

業務時間を使ってでも最初になんとか改善してもらいたい点。読み書きは文章の要約を使って練習すると良い。「ふくしま式「本当の要約力」が身につく問題集」はとてもおすすめ。最初に主語・述語の見分け方から始めてステップアップできる。大人でも後半は難しく感じる。

2. ツールの使い方(特にタイピング)

エディタやチケットツール・カレンダーなど、普段仕事で使うものの使い方は一緒に作業して習得させておく。ここがおぼつかないと全ての作業に時間がかかる。時間がかかると余裕がなくなり、仕事どころではなくなってしまう。

特にタイピングは練習させた方が良い。考えることができてもタイピングが遅い・打ち間違えてしまうとそれだけで脳内リソースを消費するため。

3. 仕事の流れを一通り把握する

まずはあーだこーだと言う前に、一つチケットを割り当ててペアワークでやってしまうと良い。試行錯誤してもらいたいところだが、何もわからないと全く前に進まず時間を浪費してしまう。1

最初はトレーナー側の時間を奪われたように感じるが、作業分担できる方が後から圧倒的自由を手に入れられる。

4. 時間の使い方

日本語の読み書きが怪しいと大体時間を効率良く使えないことが多い。差し込みが入らないように気を使うことはできるが、年次が上がるとそうもいかない。計画の立て方・一日の時間の使い方・詰まったときに時間を浪費しないようにする方法を伝えて身につけさせたい。

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」は考え方として重要だと思う。全て適用するのは難しいが、「2割の時間で8割終わらせる」考え方を知って実践できるかどうかでだいぶ変わるように感じる。

また、「全ての仕事はやり直しになる」という考え方も身についていると、抱えずに早くフィードバックを受けにこようとなる。すると改善が繰り返されるので伸びやすくなる。

5. 質問の仕方

これも結構大事で、絶対わからないことはあるので質問を0にはできない。応用系は人に物を依頼する、となる。できないと今後困ってしまう。トレーナー以外の人に質問させる機会があれば、積極的にペアワークして「こういう風に聞こう」ということを見せていきたい。

質問文は一緒に考えつつ、「なぜこれを伝えるのか?」「なぜ最初に要件を言うのか?」などを説明していく。魚を獲って、次に釣り方を伝授するようなイメージ。昔は釣り方を教えるのが重要とされていたが、タイパな時代なのでまず問題を解決する方が聞いてもらいやすい。

ひよこエンジニアのためのお仕事サバイバルガイド2023」にも色々記事をまとめておいたので進めるといいかもしれない。

6. テスト駆動開発(TDD)の考え方

まずはTODOを立てて必要な物を整理し、テストを落として通す流れは初心者ほど受け入れられやすい。確実に前進するし、何より「このTODOが終われば終わりに近づく」安心感が違う。

ゴールを見える化して手戻りをなくす、と言う点が心を折れにくくするのだと感じる。できるようになってからTDDではなく、最初からTDDで進める。TDDしにくいときは割り切る、くらいでちょうど良い。

テストを書いて落として通す、ができるようになるとデバッグ時も慌てなくなる。すると一気に実力が伸びる印象がある。エラーやテストの失敗に慌てなくなるのが効果として大きいのではないか。初学者だと上手くいかないことがあるとすぐ慌ててしまうため。

やはり「テスト駆動開発」を使って教えるようにしたい。本を読ませるのは結構大変なので、ルールだけでも覚えてもらえればいい感じはある。

7. 学習習慣

6までできれば放っておいても学習するようになる。自分の領域の名著などをお勧めして心を折らないようにだけ注意したい。慣れない領域だと、初学者向けの本でも精一杯だったりする。何か持っているならそれに目を通す頻度を上げてもらうだけでも充分である。


  1. これは実体験からくる感想で、結局あまり身に付かず申し訳ないことをしたなと感じる。反省。