こんにちは。りまりま団のもふもふです。 この記事はElastic Stack (Elasticsearch) Advent Calendar 2019の10日目の記事です。
先日Elastic Stackに関する商業本『Elastic Stackで作るBI環境(技術の泉シリーズ(NextPublishing))』を改版しました。バージョン6から7にアップデートしたのですが、そのときに気づいたバージョン間の差分について書きたいと思います。KibanaのUIが大きく変わったのはもうこの際記載しません。1
ちなみに、本に関する話はこの記事に記載しています。これ以降は本のタイトルが長いので商業本
と記載することにします。比較するバージョンはElastic Stack6.4とElastic Stack7.4です。それぞれバージョン6・7と本文中では表記することとします。
Mac版のインストーラーが正式リリースされていた
Elastic StackのMac用インストーラー(Homebrew)は、バージョン6のときも存在しました。しかし、このときはまだベータ版だったため、商業本にも正式版ではないことを記載していました。
バージョン7の改訂にあたり公式ドキュメントを確認してみたところ、いつの間にかHomebrew用パッケージが正式リリースされていました。Macで検証する際の環境構築がグッと楽になったのではないかと思います。ちょっとした検証であれば、gZipファイル経由でダウンロードして、検証が終わったらディレクトリごと削除、と使い分けることもできますね。
ElasticsearchにJavaが付属するようになった
ElasticsearchとLogstashは動作にJavaが必要です。バージョン6まではJavaをインストールした後にElasticsearch・Logstashをインストールする必要がありました。しかし、バージョン7からは Elasticsearhには Javaが付属するようになりました。公式ドキュメントにも記載があります。
Elasticsearch includes a bundled version of OpenJDK from the JDK maintainers (GPLv2+CE). To use your own version of Java, see the JVM version requirements
ここでElasticsearchには と言っているのは理由があります。LogstashはJavaが付属していないため、Logstashを利用するのであれば別途Javaのインストールが必要です。必要なインストーラーのバージョンは公式ドキュメントに記載がありますのでお手元の環境と照らし合わせてください。
Kibanaのセットアップ時にテストデータをインポートできるようになった
バージョン6のKibanaまでは、Kibanaを利用するためには自分でテストデータを準備する必要がありました。商業本ではLogstashとMetricbeatを使ってテストデータをElasticsearchに保存し、それを用いてKibanaの操作を解説しています。Kibanaだけを試したい人にとってはハードルが高い環境構築だったのではないかと思います。
しかしバージョン7からは、KibanaのUIからテスト用データを自動でインポートできるようになりました。Kibanaだけを試したい!という人はElsaticsearchとKibanaの環境構築のみを実行し、UIから数回クリックするだけでグラフの作成やCanvas機能を試すことができるようになっています。
このような画面からテストデータの種別を選び、Add data
をクリックするとテストデータを使ってKibana画面を操作できるようになります。データは自動でインポートされ続けるので「時間が経ってデータが見えなくなった!」ということもありません。便利ですね。
Kibanaのユーザーはエンジニア以外の人も増えてきており、より直感的で簡単に操作できるための機能開発に力を入れているんだろうなあ…なんてことをKibana7.5のリリース記事を見て考えてしまいました。
Elastic Stackのすごいところは短期間で機能改善を続けている点です。こんなに短い期間で大幅な機能改修・変更を入れられるのは本当にすごいことです。来年はどんな機能がリリースされているのか今から楽しみですね!11日目は@take333さんによる「Java High Level REST Clientについて」だそうです。なんだかこちらも凄そうですね!
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とにかく白くなりました。お前はあと何回カラーチェンジするのか?↩