マネージメント不在のプロダクト開発がつらい

7月から「開発チームリーダー」業務なるものをやっている。プロダクトの現状から開発内容やスケジュールを組んでネゴったり、チームメンバーの状況を把握して必要に応じてエスカレしたり、何かトラブルがあったときに旗振りしたり、開発関連の雑務したり…という役割である。1

それに加えて↓のようなこともやっている。

重要な割り込みタスクが発生したとき気をつけること - りまりまだんの本拠地

もともとフロントエンドの開発者が少ない会社ということもあり、クリティカルな実装やデザイナーさんとのUI仕様調整は元から自分がメイン担当者でやっている。 2 で、ここ数ヶ月なんとかやってきたが、「つらいなー」という気持ちが先行するようになってしまった。

運用保守しているプロダクトはサードパーティの仕様に依存している部分が多い。常に外部の仕様変更にアンテナを貼り、影響があるとわかればこちらも対応する必要がある。仕様変更になるので諸々段取りもいる。「仕様変更があるぞ!対応しなきゃ!」となったとき、いつも自分が影響範囲を確認して段取りを組み、カスタマー・ビジネス部門諸々に連絡して調整している。これは開発チームリーダーの職種なんだろうか。ちゃんと専任のプロジェクトマネージャーを立てるべきなんじゃないだろうか。

調整するだけならまだいいけど、「ちゃんとお願いしたことはやってますか」とポーリングする必要がある。開発しながらこれをやるのがきつい。3おまけにプロダクトはまだ元々の仕様解析が必要な箇所が多く、すぐ開発してリリースというわけにいかない。4 せめて開発部分だけでも分担できたらなあ…と思ってしまう。

また、UIの仕様決め調整もだんだん疲れてきてしまった。ある程度素案を作るまではいい。でも「〇〇の戦略で売上を伸ばしたいから××をやろう」とかもっとビジネス側からも出てきていいんじゃないか。どういうコンセプトでプロダクトを提供したいのか、とかないんだろうか。コンセプトがないとメンバー入れ替えでプロダクトがぶれる。そんな状態でユーザーにお金払ってもらうのでいいんだろうか。

良くないところは改善して、もっと直感的に使える画面を提供したいのに、こちらから色々な人に聞いて回らないと意見が出てこない。案を練って質問すればあれこれ意見が出てくるが、どれを取捨選択するか自分で決める必要がある。適切なフィードバックの仕組みがあればと思うが、キャパシティ的にもうこれ以上は限界なのでできない。

これは各個人が悪いとかそういうのではなく、会社の体制の問題かなと思う。役割や線引きを明文化せず、落ち穂拾いが得意な人にファシリテートをやってもらう文化なのかなという印象。自分は役割や開発意義をもはっきりしてほしいタイプなので合わないだけなんだと思う。


チーム間の調整ごとをやりながら開発もして…とやってきたが、ちょっとした一言で「頑張ってもそれが当たり前扱いされちゃうんだな」と感じて心が折れてしまった。 今までのどのキャリアより裁量もやりがいもあって、同じコードを保守できるというのはとても良い経験だと思うし転職できてよかったな〜と考えている。toBサービスの保守開発は本当にやりがいがある。

ただ、せめてプロダクトオーナーがいて、どんなプロダクトをなんの目的で作るのかを議論できたらいいのにな〜と思ってしまう。意外とどこも同じような課題があって、隣の芝が青く見えるだけなのかもしれない。

人間は欲深い生き物なので、無い物ねだりしてるだけかも。


  1. メンバーの休職に合わせて「やってよね」となった。

  2. それでも世の中平均でみると下の上くらいの実力かなと思っている。フロントエンド界隈は強い人が多くて全然追いつけない。

  3. マネージャークラスの人にマネジメントと兼務は無理だよとは言っている。

  4. この辺の話