あるあるトラブル
ひよこメンバーを受け持つことになった。「なんでも質問してね」と声をかけておいた。 質問に来てくれたのはいいが「〇〇ができません。どうすればいいですか(丸投げ)」と聞かれた。 自分でちょっとは考えてこないのか?!みたいな気持ちになってイライラした。
………みたいな話はOJT初期のあるあるなのではと思う。 インターンやバイトをめっちゃやってました!みたいな上澄みでもないかぎり大体こうなる傾向にある。
独自ツールの使い方や環境の接続方法などは聞かないとわからない。よって「どうすればいいか教えてほしい」の聞き方になるのは理解できる。 100万歩譲ってGitHubなど、情報が転がっているが仕事で初めて使うツールの使い方を丸投げで聞きにくるのも理解できる。1
しかし、プログラミング言語がわからない!どうすればいい?みたいな質問をされるとそりゃないよ〜と思ってしまう。 検索すれば情報が出てくるし、ChatGPTみたいなAIツールもあるのに。
この事象、あまりも再現性が高い。今のところ3回連続である。なんでかなと考えてみた。
立場が変わったことに気づけていないから?
大学やスクールは「お金を払って教育を受ける」場所である。もちろん、学び方を学ぶために自己研鑽したり、研究者になるための取り組みもある。学費を払ってサービスを受けるという点ではお客様の立場である。2
働き始めると「労働をすると賃金がもらえる」図式になる。教育というサービスを受けていた立場からサービスを提供して対価をもらう立場になる。ここに自力で気付けないと、本当はサービスを提供しないといけないのにいつまでもお客様気分でいる状態になってしまう。
OJTについてくれるような人は周りや上司から頼りにされている人が多い3。つまり、会社の中ではサービス提供者として良い評価を受けているということになる。そこにお客様気分の人が放り込まれる。人を採用するのは仕事を分担したりもっと仕事の処理能力を増やすためである。つまり、お客様はいらないのでまあトラブルになる。
このような図式になっているのではないかなと感じた。
対策
OJTトレーナー側
まず、教える相手は今まで「教育をサービスとして受けていた」ということを念頭においた方がいい。今まではサービスを受けていたが、今後はあなたがサービスを提供する側なんですよ、と示す必要がある。やってきてほしいところだが、なかなか上手くいかないのが現実。教えてもらわないとできない、であれば機械やできる人に仕事が取られちゃうよ、と伝えないと改善しない。
ただし、指導するのもリスクがある時代なので…まあ…以下略みたいな感じにはなってしまう。お客様の立場にいた、と頭にあるだけでストレスは和らぐかもしれない。
OJTトレーニー側
これからはサービスを提供する側で、教育されないと何もできないなら通用しないと思った方がいい。できる人がChatGPTなどを使ってさらにできることを増やしていく時代である。聞かないとダメな人を使うより、AIサービスにお金を払った方が安い。
また、そもそも指導してくれる人が少なくなっている(こういう話)。周りの人の手助けがないと何もできないのは、指導者がいなければ何もならないのと同義である。色々な意味でハイリスクなので、頑張って自分を律せないと生き残れなさそう。指導してくれる人は大事にした方がいいかもしれない。4
自律して自己研鑽できるなら生きやすくていいけど、そうでない人には結構厳しい時代になってきたなと思う。自律している人は少数派なので、まあ大体の人には厳しいだろうな…とOJTトレーニーを数名みていると思ってしまうのだった。
関連URL
- https://twitter.com/sabouru_career/status/1138579533219520512
- https://before11.hatenablog.com/entry/2019/12/16/081427
- https://b.hatena.ne.jp/entry/s/portalshit.net/2018/10/02/we-should-hire-junior-engineers
- https://x.com/slj_cobol_seki/status/1722783051384778857?s=46&t=xldIPQgGAV7XUanFPpKOcw
- https://tech.bm-sms.co.jp/entry/2023/11/21/110000
- https://qiita.com/DeployCat/items/f9de1c08c47c50620905